
こだわりの麺・飯・餃 中華屋「蛸井」さん。ご店主が修行してきた時代に食べた味、得た技術でこんな店があったらいいなと思うメニューや味を実現。
ファミリーでも一人でも楽しめる地域の中華のお店。ご夫婦ともに調理師の資格を持ちしっかりした調理を展開、スタッフさんたちの明るく気さくな接客とともにお客様をもてなします。
まだ若い頃から将来飲食店を経営したい、と思い調理師の道を選んだ蛸井さん。飲食店を手伝っているときにそれなら東京で一度修行してみたほうがいいと勧められ東京の中国料理のお店で修行しました。そこでは料理の世界の厳しい現実を知りました。
地元に帰ってきてから人気ラーメン店で長年働きました。ある時、家族との時間を大切にしたいと思い自分で家族経営の店をやりたいと独立。
前店の社長にも家族にも、釣り仲間にも、地域の人たちにも助けられながら開業。
その恩を返しながら営業しようと心に誓い、試行錯誤しながらメニューを開発。またたくまに評判店となりました。その成功の秘密を探りました。

中華屋「蛸井」さんは大山にある評判店。
2人とも調理師であるご夫婦が中心となって厨房を担当しています。そのおいしさとボリュームであっという間に人気店になりました。ご店主の蛸井さんに中華料理店をやるようになったいきさつを聞いてみました。
蛸井さんは高校卒業後、酒田調理師学校に通いました。その頃から自分の店を持ちたいと思っていたんだそうです。
「テレビで居酒屋の特集番組を見て、店主たちがみんな楽しそうにやっていて居酒屋っていいなと思ったんです。いつかそんな自分の店を持ちたいと思っていました」
調理師免許を取得して卒業後、鶴岡市の千石町にある居酒屋で働いていた時に、あるホテルの料理長だった人が食べに来ていて、蛸井さんが将来は自分で店を持ちたいと話したら、
『料理の修行は一度は中央に行ってやったほうがいいよ』と言われました。そのことがきっかけで東京へ行って、中国料理のお店で働き出しました。
「ところがあまりに厳しい世界で、自分には耐えられなくてクビになってしまいました。今も教訓にしているいろんなことを教えてもらったんですが、その時は挫折感を味わって結局東京から帰ってきました」
料理人の世界の厳しさを身をもって知った蛸井さん、それでもいつか自分の店を持ちたいという夢は捨てられず、湯野浜の旅館の食堂や居酒屋などの料理のお店で手伝いをして働きました。
そして、人生を変える出会いがあったのです。ここなら中華料理の経験も役に立つのでは、と鶴岡市美咲町の人気店「味好 美咲店」さんで働き始めました。
「縁あって、『味好』さんで15年お世話になりました。前社長のときですが、本当に面倒みてもらってよくしてもらいました。店を経営する姿を間近で見ていて、本当に大変なことなんだなと実感しました。同時に自分にはとても無理だ、と感じてこのままずっと味好さんにいよう、と考えるようになっていました」

仕事も楽しく、自分に向いている仕事だと思ってやりがいを感じながら続けていたところに、新型コロナウイルス感染症の流行がありました。他の飲食店と同じように、一時期来店客が途絶えお店の空き時間が多くなりました。
「家で待機ということがありその時期、家族といる時間が増えたんです。子供たちと一緒にいながらふと、自分は家族との時間も大切にしたいから、だから自分で店をやりたいと思っていたんだ、ということを思い出したんです」
奥様も実は酒田調理師学校の出身で、その時は別のお店で働いていました。蛸井さんは自分の思いを奥さんに話しました。最初はこんなコロナ禍の状況の中で、飲食店を開くにはリスクがあると心配されました。いろいろ悩み、考えた末に
「子供たちが大きくなって自分たちも歳をとって夫婦2人だけになってからやるより、今のうちにチャレンジしよう。じいちゃんばあちゃんたちも元気な今のうちに一緒に始めよう、と説得しました」
そして勤めていた「味好」の社長さんにも気持ちを打ち明けました。
「当時スタッフで一番長く働いていたのは自分だったので、覚悟のいることだったし、ずっとお世話になっていた社長にも申し訳ないことと感じてもいました」
社長さんからはなんと言われましたか?と聞いたら
「『独立したらライバルになるんだから、失敗しても頼って店には来れないんだぞ、ほんとに大丈夫か』と心配されました。僕ももう40歳手前だったので、ここで迷ったらいけないと思い、何度か話して『ここで失敗したら諦める覚悟でやります。そうなったらもう船に乗って遠くで出稼ぎでもすると思っています』と気持ちを伝えました。社長は「がんばれよ」と言って送り出してくれました。ほんとにありがたかったです」
お店をやる上でたくさんのことを教わったそうです。
「働いていた時は叱られたこともたくさんありますけど、今自分が経営者になってみると、原価計算など経営者としての厳しい目があってのことだったんだなと分かることがたくさんあります。ありがたい経験をさせてもらいました」
今でも気にしてくれて、時々「調子はどうだ?」と声をかけてくれるそうです。師弟関係にあるお店だったのですね。地域の人気店である「味好」さんで長年教わったことを生かしながら、奥様と二人三脚で独自の工夫をしてお店で出すメニューを考えました。なんとか「味好」さんに追いつくような一目置かれる中華店にしたいと現在も改良を重ねながら日々努力しています。
その成果もあっていつも駐車場が満杯の繁盛店に成長しました。

「こんな自分が店を持ち、オープンできたのはお世話になった「味好」さん、家族、知り合い、友人、地域の人からの支えのおかげです。オープンしてからもずっと助けてもらっています。恩を返しながら店を続けていきたいです」
そう言う蛸井さんの言葉には、まじめさを感じましたし、お店は家族愛、地域愛にあふれているように感じました。蛸井さんが中華で修行してきた腕をふるい、奥さんは厨房で麺揚げやトッピングを担当してくれているそうです。ご夫婦2人とも調理師とのことなので、栄養や衛生管理、技術の面で行き届いた調理を展開できるお店なんだな、と思いました。食べる方としては安心感があります。


東京の中国料理店のオーナーから教わったのは「お客様を第一に考えること」
「自分が店でやる一つ一つの動作がそれでいいのか常に考えろと言われていました。厨房にいてもお客様のことを気にして、みなさんがこの店に何を望んでお店に来ているか考えろと」
ラーメンのスープを作るにも、今日のはよかったか、昨日のものとは何が違ったのか、など食べるお客様を常に考えて作るようにしています。お客様を迎えるために店の掃除もしっかりやる、メニューは見やすく大きく見えるよう掲示する、などお客様の目線で常に考えるようにしています。

繁盛店になった「蛸井」さんのお店ですが、券売機を導入していません。わけを聞くと、
「人と人との関わりのあるお店にしたかったので、接客スタイルにしたいと思っています。働いているお母さんと話すだけでも楽しいようなお店にしたかったんです。食べるだけでなくて、あそこの店に行くと「おもしっけ〜」と思ってもらえるような雰囲気にしたいと思っています」

いつも働いている女性たちがとても明るく、お客様を迎えてくれます。お店のメニューや店内表示も心を込めた手書き。

「お客様の反応を見ながら季節によってメニューが頻繁に追加されたり変わったりするので、都度手書きで書いてもらってます」
そこには、<油の量多めも少なめもできます><味が薄いと感じいたら追いダレもできます>などお客さまの要望を伝えやすいお店からのメッセージも。心遣いを感じますね。

メニューは中華を得意とする蛸井さんが腕をふるうことができる料理が中心となっています。
お店で今、一番人気はと聞いたら、「オム肉チャーハン」だそうです。
「自分がチャーハン好きなのもありますが、中華料理店といったら、やっぱりチャーハン、という思いがあって、こだわりました」
というお店の看板メニュー。チャーハンに卵2個ぐらい、その外を覆うとろりとしたオムレツには卵を4つ使っているそうで、卵好きな方にはたまらない一品です。
大盛りには卵5つとのこと、驚異的なボリュームで話題です。もちろん少なめもできます。

チャーハンに大事なのはご飯。おいしいお米は地元の農家さんから取り寄せているそうです。
「自分が以前、豆の収穫を手伝っていたことがある白山のちゃ茶農園さんのお米を中心に使っています。それも縁だなあ〜と感謝しています」
オム肉の肉の部分、下茹でして生姜で臭みを取り除き味を加えた豚バラ肉は、チャーシュー作りを行う中華店ならではの自慢の味。今は、ピリ辛ネギオム肉チャーハン、肉あんかけチャーハンなども登場し、さらにバリエーションが増え人気となっています。
麺もラーメンだけでなく、中華店ならではの麻婆麺、蝦仁湯麺(シャーレー(エビ)タンメン)など試してみたい麺が並びます。蛸井さん独自のカラーが出ているのは「水煮肉麺(スイジュウロウメン)」。
水煮肉は東京に修行していた時代に食べた四川料理で、美味しくて忘れられない味だそう。麺にかけても美味しく、以前まかないで作ってみた時に店の仲間に好評だったので自分のカラーを出すためにお店で出すことに決めたそうです。
ラーメン、オム肉チャーハン、水煮肉麺(スイジュウロウメン)をお店の三つの柱にしてまずメニューができました。

「中華店なので、やっぱり、麻婆、餃子という声が多く、欠かせないのでこれもすごく考えました。「味好」さんが抜群に美味しいのでベースに考えましたけど、同じことをやっていては同じと言われるだけなので独自の味を出したくて何度も試作を重ねました」

奥さんにも意見をもらって試行錯誤したそうです。特に餃子は1回に300個ほど作っては知り合いにも配ってその反応を見ながら、少し味を変えたり肉や野菜の分量を変えてまた試作し配ってを繰り返して完成まで苦労したそうです。麻婆も独自のものを作り出すために試作を重ね、豆板醤3種、甜麺醤、辣醤(ラージャン)などブレンドの割合をいろいろ試し、これが蛸井の麻婆、と思えるものを作るまでたくさん作ったそうです。オープンしてからもメニューは改良を続けていて、前に来た時よりさらにうまい!と思ってもらえるようにしているとのことです。

繁盛店になったのは、常にグレードアップを図っているからなのかもしれませんね。

お店をオープンにするにあたってわからないことだらけで大変だったという蛸井さん、趣味で時々気晴らしにしている釣りの仲間にも助けられているそうです。お店のカウンターにルアーがさりげなく飾られています。

釣り仲間たちが知り合いを連れてきてくれたりしてお客様のつながりを広げてくれたり応援してくれるほかにも人と人とのつながりで助けられることが多々あるそうです。

「実は店の看板も釣り仲間が紹介してくれたんです。自分では単に中華だから龍でもいれるかとぼんやり描いた原稿を、縁起がいいから「昇り竜」がいいと提案してくて、とてもかっこよく作ってもらいました。外の看板も向こうの方角から車で来る人にも中華料理屋だとはっきり分かるようにしたほうがいい、と店のお客さんのことまで考えて親身にアドバイスをくれて本当に助かりました」

材料の仕入れでも地域の人たちに助けられているそうです。
「オープンした当初、自分の見込みが甘かったせいで2ヶ月ぐらいで米がなくなってしまってとても焦りました。地元大山のお店に相談をしたら、農家さんが近所のよしみで安値でいいと米を売ってくれて本当に助けられました」

「オープン前のメニューを考える一番大事な時から取引業者さんもよくしてくれて、なにか新しいメニューを作る時もすぐサンプルを提案してくれて、値段交渉にも応じてくれて本当に助かっています。卵ない、煮干しない、など突然の食材がないトラブルの時も新規で取引だったのにあちこち掛け合って提供してくれて本当に助けられました」
「厨房設備の水道の故障でトラブルがあった時も地域のつながりですぐ見にきてくれて修理をしてくれたり、本当にみなさんに助けてもらっています」
そんなオープン時からの感謝を感じている話が次々と出てくる蛸井さん、地域でよくしてもらってきたので恩返しをしたいと常々思っています。
「子供会の行事に協力したり、地域行事にも極力協力して、地元に恩を返したいと思っています」
地域や知っている人たちが助けてくれる、というのも、蛸井さんの人柄と努力している姿があるからなのではないかなと思いました。

「自分が小さい頃はもっとあったと思うんですが、最近は中華料理屋の店は多くないですよね。中華料理は家族みんなで楽しく食べれるから、こういうお店があったらいいな、と思う理想の店にしていきたいと思っています」
という蛸井さん、
どんなお店ですか?と聞いてみたら
「家族みんなで取り分けて楽しく食べれるチャーハンや、サイドメニューが美味しい店がいいな、と。デザートも充実していけたらいいなと考えています」

家族できても楽しめるメニューの工夫、辛さの表示があったり、量を選べたりという心配りがあります。小さな子供がいても使いやすい小上がりもあり、子供用椅子や膝の痛い人が使える座椅子があるなどファミリーに優しい店づくりにも工夫しています。

「おじいちゃんおばあちゃんが孫を連れてきてくれたりすることも多いです。うちもじいちゃんばあちゃんに子供たちを頼んで店をやっているんでありがたくています。だからこそ、家族に楽しんでもらえる店を作ることを目標にしてきました。自分が思った以上にお客様に来ていただいて、お待たせすることもあるし、混んでて入店しにくいと言われることも多くて申し訳なく思っているんですけど、スタッフとして働いてくれている人たちも来てくれたお客様のことを思って声かけして動いてくれて、それにやりがいを感じてくれているのでこれからも人と人との関わりを大切にしていきたいと思っています」
開店時間に行列ができるお店なので、玄関にいくつもベンチや椅子があったり、待ち時間にも選べるようにメニューの掲示があったりと待っているお客様にも 心配りがあります。

営業してみて、平日や土日の来店のお客様の層の違いに合わせて、平日のみのメニューや土日のみのメニュー、数量限定メニューなども設定しています。これもお客様を第一に考えて
「平日も、1人や2人で寄ってくれる仕事途中の方々もいます。年代も幅広いし、日々それぞれに頑張らねば、と毎日思っています」
と言う蛸井さん、今日来たお客様が明日も来てくれるとは限らないので味はもちろん、少しでも店で楽しい思いをしていってもらえるうようにしたいと言います。スタッフとともにアットホームなもてなしで、お客さまを大事にしたいと思っているそうです。
私もスタッフと一緒に平日開店ジャストでお店におじゃまして1日10食限定の蝦仁湯麺(シャーレータンメン)をいただきました。ぷりっぷりのエビがたまらない野菜もたっぷりのタンメンでした。スープに深みがあってタンメン好きをうならせる味だと思いました。こっそり聞いてみたら「白醤油」を使っているそうです。香り高いわけですね〜。

これからもメニューの改良やサービス向上を続けてますます楽しいお店になってくれそうな気がします。
厨房からは蛸井さんご夫妻とスタッフさんたちの明るいあいさつがお客さんが出入りするたびに心地よく響いて、満腹感を爽やかな満足感にしてくれました。

蛸井さん、取材させていただいてありがとうございました。
2025/12/01
大山のたこいにご飯食べにいきました。 肉がたくさんのっていて、餡がかかっていて 美味しかったです。
2025/12/01
中華屋蛸井さんに期間限定の担々麺を食べに行ってきました。担々スープが濃厚。麺や肉味噌もたくさん入っていて超大満足。さらにe-Townsトレカ提示で味玉もいただきました!お得すぎる。小上がりもあるので小さな子供がいても安心ですし、店主さんはじめスタッフ皆さんすごく優しくてまた行きたくなりました。リピ確定です。
2025/10/07
大山にある蛸井さんのオム肉チャーハンがボリューミーで美味しいです!!ラーメンは、エビがたくさんのってるシャーレンタン麺がおすすめです。 店員さんも優しい方が多く、帰る際には皆さんで、ありがとうございました!!と言ってくださり、毎週通いたくなるお店です。 クーポン券で味玉もプレゼントしてもらい、いつもありがとうございます。
2025/10/07
中華屋蛸井さんのオム肉チャーハンが大好きです!
2025/09/09
中華屋蛸井さんに、とうとう行ってきました。オム肉チャーハンは、ご飯もたまごも、上に乗っているお肉も美味しくて、すぐにまた行きたくなりました。メニュー全制覇するくらい通いたいお店でした。
2025/09/05
中華屋 蛸井さんに初めて伺いました。とても混むとの評判なので、30分前に駐車場に着きましたが、すでに順番待ちの方がいらっしゃいました。シャーレンタンメンを注文しました。エビプリプリで美味しかったです。
2025/07/11
蛸井さんの冷やし中華にエビがのっていて感激でした。美味しかったまた行きます
2025/05/08
大山の中華屋蛸井さん。皆さん、オム肉チャーハンがおすすめと言いますが、あえて僕は「蝦仁湯麺(シャーレンタンメン)」をおすすめします! 数量限定メニューと記載がありますが、大きなエビが六匹も!たくさん入ってます! 是非、食べてみてください〜、美味しいですよ~
2025/05/03
蛸井さんの、水煮肉麺激ウマです!が、ヤケドに注意です!ボリュームもあって腹パンですよー!
2025/04/13
中華屋蛸井さんに行って来ました。美味しかったです。
2025/03/06
ようやく念願の『中華屋 蛸井』伺う事が出来ました。想像以上に美味しくついつい食べ過ぎてしまう♡全メニュー制覇してみたい!
2025/03/05
中華屋蛸井さんはいつも混んでてなかなか入れない‥でも美味しいから行きたくなる‥ジレンマ!
2025/02/02
中華屋蛸井さんのあんかけラーメンを見て、食べたくなり土曜日妻と行ってきました。特典で味玉玉子頂きました。 美味しいかったです。
2025/01/29
中華屋蛸井さんのあんかけラーメンは鶴岡の寒い冬にぴったりの芯から暖まるラーメンです。 大山新酒祭りの後に食べてしばれた体を暖めて帰りたいと思います🍜
2025/01/15
中華屋蛸井さんはいつも行列が絶えませんが並ぶ価値はあると思います。ボリューム満点で大満足でした。
2025/01/06
中華屋蛸井さんのオム肉チャーハン美味しいです!
2025/01/05
中華屋蛸井さん 何を食べても美味しいです
2025/01/04
中華屋 蛸井の餃子が大好きです。なにを食べても本当に美味しいおすすめのお店ですね。
