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羽黒 佐藤塗装

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Special Interview

スペシャルインタビュー

◎話しを聞いた人 代表/ 佐藤 一久(さとう かずひさ)さん

一級技能士による外壁塗装、店舗工事、シーリング工事、リフォーム工事など幅広く対応してくれる地域密着型の塗装専門店です。
一般住宅から店舗、公共施設まで様々な塗装や補修などが可能です。
料金、環境に合わせた的確な塗料を提案、外観の美しさだけでなく、耐久性をも考慮し塗装を行います。柔軟なアフターフォローにも好評を得ています。
冬季は屋根の雪下ろしや除雪も請け負い、地域の環境美化に貢献するお店です。

インタビュー概要

羽黒山へ続く羽黒街道沿いにひときわ目立つ「羽黒 佐藤塗装」の看板。店名の通り、地域に根差した塗装店です。
伝統文化が観光の資源となっている羽黒のような地域にとって、施設環境を美化し維持させる佐藤さんの仕事はとても重要な役目を担っています。
古くからのひっそりとした神社の鳥居を黙々と塗り直しているところや羽黒のシンボルとも言えるあの大きな柿のモニュメントを塗り直しているところもお見かけしたことがあります。
「塗り直すということはさらに長持ちさせるということだから、うわべをきれいにするだけでなく補修や耐久性をいつも考えます」と言う佐藤さん。
塗装業に携わるようになったきっかけや日々感じていることなどをお聞きしました。

聞き手/北風加奈

修行時代にお世話になった社長の背中を追って開業 

外で体を動かし一生懸命働く塗装業の楽しさを知った

「羽黒 佐藤塗装」さんは羽黒街道沿いにある地域密着の塗装店さん。

看板やのぼりでひと際目立地ます。お店の中に入ると、広い応接テーブルがあり、塗装のサンプルなどがディスプレイされています。

塗料がたくさん置いてあって作業場があって‥‥という私の塗装店のイメージとはまったく違って明るく広いしなんだかおもしろいものもあります。

代表の佐藤さんが迎えてくれました。

「お客様に色や材質などいろいろ見せられるように自分で塗ってつくったサンプルを並べているんです。実際見てもらうのが一番わかりやすいんですよ」

なんでも塗るし、つくってしまう佐藤さんならではの工夫が光る事務所には、小上がりや飾り棚もあって、仕事の合間にやるというジグソーパズルなどおもしろいものも飾ってあります。

遊び心があって、相談に訪れるお客様が話しやすいスペースになっているなあと思いました。

塗装店は、継いだのではなく、自ら創業したという佐藤さん。この仕事を選んだきっかけをお聞きしました。

 

佐藤さんのご実家は農家さん。子供の頃から農作業を手伝って田んぼに出てトラクターに乗ったりしていたそうで、ずっと外仕事が好きなんだそうです。

「学生の頃から外で体を動かすのが好きでした。晴れた日は気分がいいし、体を使って汗をかいて一生懸命やるとほめられるのでうれしいですよね。雨が降れば自由時間が持てることも自分には合うなと思っていました」

しかし、手伝いをしながらこれからの時代は稲作だけでは厳しいと感じ、農家を継ぐかどうか迷い、別の仕事につこうかと悩んでいました。

そんな高校3年生の時に、後輩から夏休みのアルバイトに誘われて、ある塗装店の手伝いで働かせてもらったことが、この道に進んだ大きなきっかけでした。

「外で働くのはやっぱり気持ち良くておもしろくて、忘れられない思い出になりました。雨が降ったら休みになって遊びに行けるのも学生時代の自分にとっては気が楽で良かったんですよね(笑)同級生に『今、ここを俺が塗ってる』と見せて話せるのがまたうれしかったんですよ」

塗装業は自分に合っている、と思った佐藤さん、そのままそのお店に就職したかったそうですが、もっと大きな塗装店のほうが安定していて就職するにはいいだろうと人に勧められて、他を紹介してもらい就職をしました。

「大きな企業から発注を請けて工場の中を塗るような、大勢で仕事をする会社でした。やりがいはありましたがプレッシャーもあり、自分にはやっぱり屋根に上がって外で家を塗るような仕事が忘れられませんでした」

そして最初の塗装店に戻ることになり、しばらくの間手伝いをしました。

「若かったんで遊びたかったし、金髪に染めたり、寝坊して布団剥がされて現場に引っ張って連れて行かれたりと、よく叱られました(笑)怒ると怖い社長でしたけど、押し付ける感じではなかったです。その時は叱られて歯がゆいというよりも、仕事覚えて見返してやると思う気持ちが強かったです」

仕事は一生懸命にやり、そして生活を楽しむ、ということをその社長に教わったそうです。

「いい仕事をすればほめてくれたし、会社の庭先でバーベキューしたり焼肉したり職場での楽しみごともありました。ボーリングやゴルフ、麻雀なども企画して楽しんでいましたし、雨が降ればガレージで自分が好きなバイクを直したり遊びに行ったりしていました。働くことがとても楽しかったですね。社長は働く人が喜んで働く環境を作るのが上手だったんだと思います」

「スタッフのミスがあった時は社長が自ら謝りに行っていましたし、作業上起こってしまったガラス破損などでもお客様に丁寧に対応している社長の姿を見て、経営者って責任感が違うなと感じました。そういう社長のもとで働くことにやりがいを感じていました」

そんなお世話になった社長さんが病気で体を壊して塗装店が続けられなくなりました。

佐藤さんは自身で塗装店を創業する決心をしました。34歳の頃でした。経営するとなると契約書を作成するなど契約上のことから支払いまで全て考えてやらなければならないので、まず3年ぐらいは勉強しながら少しずつ経験を積もうと思ったそうです。

ところが創業した当時は周辺に塗装店が少なく、始めるとすぐ、来てくれないかとあちこちから声がかかりました。

「呼ばれればうれしくて喜んで行きました。契約書を作成するなどの事務的なことや対外交渉はもう、いろいろ失敗しながら身につけてきた感じです」

と佐藤さん。

「経営者となったらもう振り返ってはいられなかったです。学ばせてもらった社長は亡くなってしまいましたけど、自分が経営者になって分かったことがたくさんあります。気がつけばお世話になった社長の背中をずっと追っています。今は偉大さがわかります」

それから12年あまり、「羽黒 佐藤塗装」さんは地域に密着した住まいの塗り替え専門店としてその丁寧で柔軟な仕事ぶりが信頼を得ています。2021年、現在の場所に事務所を新設、街道を行く人が一度は目にする目立つ垂幕が目印となっています。

自分が塗ったと胸を張れる丁寧な仕事をしたい

地元店だからこそ耐久性にこだわった下地処理や環境に適した施工

仕事を請ける上でどんなことを大切にしているか、聞いてみました。

「実は塗装は奥が深くて、表面がきれいになればいいだけではないんです。塗るまでの工程が大切で、よくないものに上塗りして隠しても駄目なんです。しっかり整えてから塗るのと傷んだものをそのまま塗るのとでは耐久年数に大きな違いが出ます」

塗る前の下処理を何より大切にしているそうです。

「塗り直して欲しいということは、もっと長く持たせたい、大切に使いたいという気持ちがあると思います。まずそのことを考えます。塗装は永久ではなく、年数がたつと必ず劣化してくるものなので、今できる最高のことは何かを見極めて提案することを大切にしています」

と佐藤さん。

ですが、予算との兼ね合いもあり、見た目がきれいになればいいと言われることも多く、作業の内容までは認知されにくいのが難しいところだと言います。

「価格とのせめぎ合いで、そこが頭を使うところです。安く塗ってくれと言われて材料の質を落としたり、塗りの回数を減らしたりして仕事をしても、例えば3回重ね塗りするところを1回しかしないと、あそこの塗装店に頼んだらすぐ剥げた、となるのは嫌なので、耐久性を考えた下地処理や使う材料、適した施工を予算に合わせて悩みながら組み合わせて提案しています」

塗る場所も壁や屋根やコンクリート、柱などなど材質も違うし、環境も違う、塗料もいろいろある、下処理の方法、修理…いろいろ考えることがあってすごく難しそうだなあと思いました。佐藤さんはお客様にわかりやすく説明できるように、自作のサンプルを事務所にいくつも用意しています。

「カタログよりもわかりやすいし実際に見てもらったほうがいいので、自分で作りました。これを使って打ち合わせることもあります」

1度塗り、2度塗り、3度塗りの違いがわかるものや、塗る材質もいろいろ用意してあってこれはわかりやすい!

「複数の店や業者から見積もりをもらって、値段だけで判断するかたもいますが、同一の材料や施工での見積もりではないので実は比較にはならないんです」

とも教えてくれました。なるほど、信頼できる丁寧な施工かどうか、その点も含めて依頼をしたいですね。

 

「経験もものをいいます。塗るタイミングもあるんです。湿度の高い時、乾燥している時など、作業する日の天候を見極めることも仕事の一つです」

ただ塗ればいい、ということではないと言っていたのが納得できました。佐藤さんは、作業を丁寧に行っていることをお客様に伝えたいと思い、インスタなどのSNSで作業内容、工程を写真撮って載せています。ぜひ参考にご覧ください。

羽黒 佐藤塗装インスタ

羽黒 佐藤塗装フェイスブック

佐藤さんは作業の質を落とさずお客様へ良い仕事を提供するために、依頼主から直接受注をし、自分の目で現地を見て見積もりを出します。

「自分が塗ったと胸を張れる丁寧な仕事をしたいと思っています。下請けなどで無茶な金額でその場限りの作業をやるのではなくて、自社で請けて責任ある仕事をしていきたいと思っています」

「羽黒 佐藤塗装」さんは安心の5年保証をしています。塗って終わるではなくてアフターケアも大切にしています。

「庄内は雪が多い地域です。当然、雪の降らない地域とは耐久年数やメンテナンスが変わってきます。悪くなったらすぐ撤去、交換すればいいではなくて、しっかり補修してまた使い続ける、そのために地域の天候の特徴をよく知った地域密着の塗装店として柔軟に対応していきたいと思っています」

そんな仕事ぶりが信頼を得て、神社の鳥居や社殿、地域の公共の設備などの塗り替えの依頼を受けることも多くなっています。

私もなんどか佐藤塗装さんの作業中の足場に「羽黒 佐藤塗装」さんの垂れ幕を見ました。羽黒のシンボルとも言える柿のモニュメントを塗り替えているところを見たこともあります。

羽黒のような文化施設、観光客が多い地域にとって施設の環境美化や維持に携わる業者さんは本当に大切な存在。地域の頼りになるお店としてこれからも頑張ってほしいです。

信頼で得た、人のつながりに感謝しています

形として残る塗装業は責任と達成感があります

塗装の仕事のやりがいを聞いてみました。

「塗装はあとに仕事が残るので、責任を感じますが達成感があり、それがやりがいになっています」

と佐藤さん。

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「家の外壁や屋根を頼まれて塗って、『こんなに変わるとは思わなかった!』と仕上がりに喜んでいただくのはとても嬉しいです。そして家の中も塗ってほしいと続けて依頼があると、信頼していただいたと思って本当に充実感があります。『まだ来てくれの〜』と頼られ呼ばれるのはとても嬉しいことで、その期待に応えたいたいなと思い、仕事をしています」

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色あせていた住まいを補修しながら塗ると、『新築のよう、こんなに変わるのか!』と驚かれることが多いそうです。住まいを美化してさらに長持ちさせる、それは喜ばれるお仕事ですね。お客様からまた次のお客様へ紹介を受けることも多いそうです。

「周りの人から助けてもらって仕事をしているなあと感じます。地道に仕事をしているうちに友達、親族などをはじめ、お客様の知り合いなどからつながりができてきました。紹介をいただくことが多くてとても嬉しく思っています」

紹介をしてもらうだけ評価が高いんだろうな、と思いました。

地元の困ったに対応できる窓口でありたい

予算と工程の丁寧さと材料のバランスの難しさ

佐藤さんにこれからどんなふうに仕事を続けていきたいか聞いてみました。

「店を大きい企業にしたいわけではなくて、地元の困っている人に柔軟に対応できる窓口でありたいと思っています」

という答えが返ってきました。

「まず、庄内は雪が降る地域で、そして高齢化が進んでいます。塗装業は冬は仕事ができない時期が長いので何かできないだろうかと考えて、屋根の雪下ろしや除雪を手伝う仕事を請け負うことにしました。自分はやっぱり、外で体を動かすのが好きな人間なので、人力や除雪機でやります」

塗装業では冬季間は出稼ぎに出ると聞いたこともありますが、

「年間通して平均的に仕事があればいいんですが、それは望めないので、仙台や岩手、福島などに出張して塗装の手伝いに行ったこともあったんです。でも経費がかかって結局マイナスでした。やっぱり自分の生まれた地域のことだし、できれば地域に根差して貢献したいという思いがあり、人手不足、家の中に入れない、観光のバスが入れない、など突然の除雪に対応しています」

雪の多い季節は高齢者の世帯にとって除雪は本当に大問題。とても感謝されるだろうなと思います。一方で、地域で経営する難しさも感じているそうです。

「ホームページやSNSでの反応があまりないなと感じます。若い世代の少ない田舎で、口コミ感想が少ないからか、ネットから依頼をうけることが他の地域に比べて少ないように思います。今のところ定期的にチラシを打つなどして販促活動していますが、今後はその面も課題です」

という佐藤さん。

「若者の少ない地域ではありますが、貴重な若い力を生かして次世代の雇用を生み出していけるように作業員の環境づくり、仕事の見える化を心がけています」

とも話してくれました。

 

塗装業の楽しさを知ってもらおうと、地域の学校の職場体験などにも積極的に協力しています。事務所で塗料を使った体験をしてもらったりしたそうです。

「自分も息子たちも地域で育ててもらったし、なにか恩返しというか、貢献できればなと思って引き受けました。若い世代が少しでも興味を持ってくれればいいなと思って楽しんで体験してもらえるようにやってみました。こちらも面白くていい機会になりました。これからも地域で働くのもいいもんだよと伝えたいです。少しでも地元で働く人が増えるといいなと」

「塗装業は足場業者や修理工事業者などとの調整も必要なので連携が大切です。他業種とのつながりも大事にしています」

商工会議所ほか、地域の団体活動に参加するなど他業種との交流も大切にお店を経営していきたいと語ってくれました。

 

高所での作業や過酷な気温下での作業など、体の健康面でも気を使っていると言います。

「お客様のところで怪我をするとご迷惑がかかるので、安全第一で作業をこころがけています」

体に気をつけて長く地域のために、そして、後進の育成も考えながら、地域の環境整備を着実にしていかれることと思います。羽黒佐藤塗装さんは個人の住まいはもちろん、公共施設や神社の鳥居など、いろいろなところの補修、塗装に貢献しています。庄内、鶴岡、羽黒は観光でたくさんの人が訪れる地域でもありますし、景観はとても大事です。良心的に耐久性を考え作業してくれるお店があることは力強いことだなと思います。

佐藤さん、お話ししていただきありがとうございました。

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