
地域に根ざし、車の整備・販売から保険、リースまで幅広く対応する自動車店。確かな技術と信頼を基盤に創立20年を迎えました。
お店は雑貨やプラモデルなども楽しめて、ほっと一息できる空間になっています。
創業から20年。地域に根ざして車の整備・販売を行ってきたARROWSは、代行業や飲食、新車リース事業などにも取り組みながら、時代に合わせて進化を続けてきました。広い店内を活かした雑貨販売やラジコン、プラモデル、ハンドメイド作品の展示販売といったユニークな空間づくりにより、車店を超えた交流の場として多くの人が来店します。
一方で、車両価格の高騰や流通の変化、担い手不足といった業界の課題にも直面する中、全国ネットワークを活かした車両提案やリース事業への対応など、柔軟なサービスで顧客のニーズに応えています。長年の信頼関係を大切にしながら、紹介によって広がるつながりを強みにしてきました。
さらに地域団体での活動やインバウンド需要への対応を通じて、二次交通の担い手としての役割も果たしています。変化の激しい時代の中でも、「地域に必要とされる存在であり続けること」を軸に、新たな挑戦を続けるARROWS。人と車、そして地域をつなぐ存在としての役割が期待されています。

「ARROWS(アローズ)」さんは、車の整備や修理を中心にしながらも多彩な事業を展開してきました。店舗ではユニークな空間づくりで来店するお客様に楽しい空間を提供しています。また、代行業、飲食業などの事業も手がけ、鶴岡市淀川に新車のリース専門店「フラット7」もオープン。時代に合わせて常に変化を続けてきました。
代表取締役の金野さんに創業のいきさつやこれからの想いをお聞きしました。
「自分は元々バイクのメンテナンスやカスタムをしたりするのが好きなんです。学生時代からマシンに興味があって、バイクや車の業界に入りたいと考えていました」

金野さんは高校卒業後にHondaに就職。販売営業の道へ進みました。そこで営業に関する教育を受けながら、酒田や鶴岡の営業所で10年勤務しました。職場で同じく働いていた奥様と出会ってご結婚しました。
その後、一時中古車取扱店で勤務をしましたが、自分にしかできない店舗を作りたいという想いが膨らみ、独立の決意をしました。
「妻も車業界を知っているので、独立して自分でやってみたいと打ち明けた時も、理解してくれました」
「会社を立ち上げた当初は家を事務所にしていたので場所もなく、トレーラーに車を乗せてオイル交換をしたりと、苦労もありました」
と振り返る金野さん。

地道な努力が実って宝田に店をオープンし、スタッフも増えました。その後レンタカー、代行、飲食など多角的に事業を展開して20年が過ぎました。
「車を通して地域貢献したいと思って、関係するものをいろいろやってきました」
工場と併設する店舗では、広いスペースを利用してユニークな取り組みをしています。車雑貨の販売、ラジコンコース、ハンドメイド品の委託販売コーナー、プラモデル制作コーナーなど、それぞれの愛好家たちが気軽に寄れるというお店作りで幅広いファン層を獲得して、それが集客にもつながっているそうです。

「お客様や、イベントの出店仲間からも声を聞いて取り入れてきました。やりながら、『こんな車屋は他にはないだろう』というおもしろさがあります。ラジコンで遊びに来るかたから車の修理や点検を頼まれたりと、つながりもできるんです」
奥様もお店をサポートしています。来店するお客様の応対で忙しいそうです。
「自分は外に交渉ごとに出ていることが多いので、店内の細かい部分は妻が気を配ってくれています。車雑貨やガンプラにもすごく詳しくなってもうすっかり任せきりです(笑)」
と金野さん。
来店するのを楽しみに変える空間づくり。
人と車、そして地域をつなぐ存在として、お店は新たな挑戦を続けています。

ARROWSさんは整備点検部門が特に充実しています。
工場は車検が行える認証工場となっています。技術のある整備士が在籍し、適切な料金設定を心がけているおかげで、外車の整備や修理の依頼も多いそうです。柔軟な対応も好評です。
「創業前からずっとお付き合いいただいているお客様もいまして、車購入から保険、点検、整備まですべてもうおまかせ、と頼っていただいてありがたいことです」
一方販売部門では、近年の価格高騰や流通の変化により、車選びの環境は大きく変わっているそうです。家庭で車を気軽に買う時代ではなくなってきています。
「中古車でも今は300〜600万円ぐらいします。例えば以前新車で300万円だったものが最近は600万円したりします。流通も変わって、なかなか良いものが探せないというような状況です」
車業界全体で品不足が続いていて部品も品薄なのだそうです。
「輸入車やクラシックカーは、部品を取り寄せても3〜4カ月待ち…というような状況です。自社で作れるものは作るという場合もあります」と金野さん。
「この状況ではご希望通りの中古車を探すのは限界があります。ただ、ある程度任せていただければ日本全国のネットワークからいい車を仕入れてきますので、ぜひご相談いただきたいです」

店頭には中古車に混じってキッチンカーも展示してあって「時代だなあ〜」と驚きました。
近年はリースするという人が増えているそうです。淀川町に金野さんがオープンした「フラット7」は新車リースを扱うフランチャイズのお店です。
「一般の人はもちろんですが、社用車をリースに切り替えるという要望が増えています。早い段階で『フラット7』をオープンしてよかったと思います。フランチャイズなのでしっかりしたサポートがあるし、教育も受けられます。これからさらに増えるであろうリースのご要望に自信を持ってご案内できる基盤ができました」
車が生活に欠かせない庄内地域においては、車に求められるニーズはますます多様化しています。

金野さんの奥様に店内を案内していただきました。
店に入ると車雑貨の販売コーナーがあります。まず目に着いたのはムーンアイズ(Moon Eyes)の商品。クールなロゴやデザインが人気のブランドで車やバイクのカスタムだけでなく、ステッカー、Tシャツなど、ファッションアイテムとしても使われているそうです。バッグやキャンプ用品などのアウトドアで使えるものから、お財布、キーホルダーなどの身近なものまで多くの商品がありました。
「遠方からもファンのかたが来店します。お店で直接商品を見ることができるのは県内ではここだけなので、喜んでいただいています」と奥さん。

一番人気は「Little Trees」。シンプルでかわいらしい木の形をしたデザインが特徴の芳香剤です。さまざまな香りのバリエーションがあり、車だけでなくクローゼットなどでも使えると好評です。多くの種類を揃えているお店は珍しいとのこと。選ぶ楽しさがあることも来店する理由ではないでしょうか。

次に目を引いたは、棚いっぱいに並ぶハンドメイド雑貨。ボックスごとに一人の作家さんの作品が販売されています。

「こちらは手作り雑貨の委託販売コーナーです。イベントで知り合った方からお店においてもらえないかとの声をきっかけに始めました。待ち時間に見て楽しめると、作家さんにもお客様にも好評です」
少しからはじめましたが、たくさんの作家さんの商品を並べられるようになりました。今では店の一角がマーケットのような空間になっています。
さらに、ラジコンやプラモデル関連のスペースもあります。
「広い展示場を生かしてラジコンコースを設置したり、プラモデルサークルに展示ブースを貸し出したりということもやっています。愛好者の方々がガンプラコンテストを開催したりして、自由に楽しんでもらっています」
組み立てたプラモデルも販売しています。パーツが欲しいとニーズがあり、今後は販売ブースを有料化して、さらに充実させることも考えています。

「お客様がイベントを企画してくれたり、他ではできないと言って喜んでいる姿を見ると、こちらもとても嬉しいです」
訪れた人が、趣味や交流を楽しむ場所へ——。
ARROWSさんの店内は、「自動車販売店」を超えた、多彩な魅力を持つ空間として進化を続けています。
今後も楽しみです。

今野さんにとっての仕事のやりがいを聞きました。
「若い頃に培った営業経験が、今の仕事に活かされています。ありがたいことに信頼関係が長く続いていることが多いんです。1台販売したことから始まって、今まで13台もご紹介いただいたというご家族もいらっしゃいます。親戚、友達、職場、と紹介していただくこともあります。つながりが広がっていくのがとてもうれしいです。営業の仕事に厳しさを感じたことも多々ありますが、真面目にやっていることを認めていただき、なんでも任せていただけるようになったこと、そういう事がうれしくてやりがいになっています」
仕事に対する姿勢が、このエピソードで伝わってきました。
さらに、金野さんの仕事は地域の活動へ、そしてその先へと広がっていきます。
今まで商工会議所をはじめ、いくつかの地域の団体に所属して他業種との連携を積極的に進めてきました。活動を通して生まれたつながりは地域外にも広がりを見せ、仕事に生かされているそうです。現在では商談や仕入れ、納車などで全国を飛び回る日々を送っています。
「羽田空港のラウンジでパソコンを開いて3件同時に商談している、なんていうこともあります。偶然隣にいた方が商談相手のご家族だった、なんてこともあって、ご縁の不思議さを感じますね」
紹介によって広がる関係は、信頼の証。その一つひとつを大切に思い、積み重ねているそうです。
金野さんのすごいところは、自分の仕事だけでなく、地域や業界への貢献に強い意識を持っているところです。
「業界全体に対して私にも一つ役割があります。自動車業界は担い手不足が課題となっています。大手さえも整備士の確保に苦労している中ですが、そこの体制を整えていきたいと思います」
「また、コロナ禍以降、インバウンドが回復しています。庄内地域での移動を支える「二次交通」の重要性が課題となっています。最近は酒田への豪華客船誘致や、庄内空港への海外便増便なども進んで、代行、レンタカーの需要が高まっています。そこでうちも新しくレンタカーをはじめたんです」
ARROWSさんが庄内空港で外国人向けのレンタカーを受付ているというので驚きました。
「地域が求めることをやっていきたいと思っています。外国のかたが求めるのは流暢な外国語の対応ではなく、地域に根差した専門店の対応だと思うんです」
もしトラブルあった場合はレッカー、修理、保険等、柔軟に素早く対応してくれる地域の専門店なら安心だなと思いました。庄内を訪れる外国人旅行客にも安心してサービスを利用してもらえればいいなと思います。
これからの展望を聞きました。
「他の事業者と同様、うちも時代の変化の影響を受けてきました。コロナ禍では代行業や飲食店、イベント開催などが大きな打撃を受け、現在でもその傷跡は残っています。さらに物価高騰があり、車の流通も変化しています。取り巻く環境は大きく揺れ動いています。企業として存続するためには、時代のニーズを見極めていくことが必要です。地域で必要とされる存在であり続けるために、何をすべきかを常に考えています」
地域と一緒に、挑戦を続ける——
庄内のこれからを支える存在になって欲しいと期待します。
金野さん、お話いただきありがとうございました。
2025/12/12
フラット7山形鶴岡店さん。ドライブレコーダーを取り付けるときにお世話になりました。 丁寧な対応と、丁寧な仕事。信頼できるお店だと思います。定額で乗れる車も気になりましたが、このときは質問するだけにとどまりました。 機会があれば今後利用するかも。